BMW i8を試乗して分かったこととは?

BMW i8を試乗して分かったこととは?

BMW i8は、ひと目で視線を奪う斬新なデザインと、ハイブリッドスポーツカーとは思えない走行性能を兼ね備えた一台です。「次世代の走りとは何か?」を体感したい方には、これ以上ないモデルといえます。

ですが、実際に乗ってみるまで、本当に満足できるクルマなのか気になる人も多いはず。加速力・静粛性・乗り心地はどうなのか、街乗りや高速走行での印象はどう違うのか──ネットの情報だけでは判断しきれない部分もあるでしょう。

私自身、試乗前は「見た目はカッコいいけど、走りはどうなんだろう」と半信半疑でした。しかし、実際にハンドルを握って数分後には、すっかりその世界観に引き込まれていたのです。

これからBMW i8を体験したい方にとって、試乗レビューは選択の大きな判断材料となります。

この記事では、試乗で感じたリアルな体験を軸に、i8の魅力と実用性、そして他モデルとの違いまで、余すところなく紹介していきます。

この記事で分かること

  • BMW i8の基本スペックと注目すべきポイント
  • 加速・静寂性など試乗で感じた具体的な体験
  • 内外装デザインの魅力と先進性
  • 購入前に知っておきたい注意点やコスト面
  • 試乗時によくある疑問とその回答

BMW i8とはどんなクルマ?|特徴とスペックを解説

BMW i8とはどんなクルマ?|特徴とスペックを解説

BMW i8の基本スペックと価格帯

BMW i8は、プラグインハイブリッドシステムを採用した先進的なスポーツカーです。1.5L直列3気筒エンジンとモーターの組み合わせで、システム合計出力は362馬力を誇ります。0-100km/h加速は約4.4秒と俊敏です。新車時の価格は約2000万円でしたが、現在の中古市場では700万~1300万円程度で取引されています。

ハイブリッドスポーツカーとしてのポジション

BMW i8は、「環境性能」と「走行性能」の両立を実現した希少なモデルです。EV走行とガソリン走行の切り替えが可能で、都市部ではEV、郊外ではエンジンパワーを活かすといった使い分けが可能です。他社のスーパーカーと比較しても、静音性・燃費性能・近未来感が高く評価されています。

デザインコンセプトと開発背景

i8のデザインは「ビジョン・エフィシエント・ダイナミクス」というコンセプトカーを基に設計されました。流線形のボディとバタフライドアが特徴的で、一目で未来的な印象を与えます。BMWのサステナブルビジョンを象徴するモデルとして、再生可能素材の内装や空気抵抗を意識したエアロ設計も注目されました。

i8と他のBMW車種との違い

BMW Mシリーズや7シリーズと比較すると、i8は完全に別カテゴリの車両です。Mシリーズが純粋なスポーツ志向なのに対し、i8は「未来のモビリティ」を体現するモデルです。また、4WD(前輪モーター・後輪エンジン)の特殊な駆動方式を採用しており、一般的なFR構造とは走行フィーリングも異なります。

中古市場での評価と価値

2024年現在、中古市場ではi8の価値が安定しており、特に状態の良い個体や走行距離の少ないモデルは人気です。「BMWの中でも資産性が高い」という声もあり、投資対象として検討する人も増えています。ただし、バッテリーの寿命や保証内容については事前確認が必要です。

BMW i8試乗レビュー①|走り出しで感じた驚きの加速力

BMW i8試乗レビュー①|走り出しで感じた驚きの加速力

モーター+エンジンによる加速性能とは

BMW i8は前輪に電気モーター、後輪にガソリンエンジンを備えた4WD仕様です。2つの動力源が連携して加速することで、スムーズかつ力強い走行感を生み出します。特に発進時には電気モーターのみで駆動するため、レスポンスが非常に速く、踏んだ瞬間に即座に加速する感覚が得られます。

0-100km/h加速の実測値

BMW公式によると、i8の0-100km/h加速タイムは約4.4秒です。実際に試乗してみると、メーターがあっという間に100km/hを超え、加速中のストレスが一切ありません。これはポルシェ718ケイマン(4.9秒)やアウディTT S(4.5秒)よりも速く、ハイブリッドでこの加速力は驚異的です。

実際に感じた「加速G」と体感スピード

体感的には、アクセルを少し踏み込んだだけで体がシートに押し付けられるような加速感があります。特に電動モーターの加速は音が静かなぶん、スピードが出ていることに気づかないことも。これは同乗者の驚きの声からも分かります。「えっ、もうこんな速度!?」という反応が多く見られました。

高速道路での追い越し性能

高速道路では、80km/hからの追い越し加速が非常にスムーズです。エンジンとモーターが同時にパワーを発揮するため、アクセルを踏んでからの反応が鋭く、短い距離でもストレスなく追い越せます。合流時の加速も安心感があり、スポーツカーらしい力強さを感じられました。

他のスポーツカーとの比較(例:テスラ、アウディR8)

BMW i8の加速は、テスラ モデル3 パフォーマンス(約3.3秒)には及ばないものの、ハイブリッドという特性を考慮すればトップクラスです。アウディR8のようなV10エンジン搭載車とは違い、静かに鋭く加速する点が大きな差です。燃費や静粛性も含めてトータルで見れば、i8の加速性能は非常に高いバランスを保っています。

BMW i8試乗レビュー②|静寂性と乗り心地に圧倒された理由

BMW i8試乗レビュー②|静寂性と乗り心地に圧倒された理由

モーター走行時の静粛性

BMW i8は発進時に電気モーターのみで走行するため、驚くほど静かです。アイドリング音はほぼ無音で、都市部の渋滞や深夜の住宅街でも気を使わずに走行できます。風切り音やロードノイズも抑えられており、まるで図書館の中を走っているような感覚が味わえます。

エンジン切り替え時の音の変化

一定速度や加速時にガソリンエンジンが作動しますが、その切り替えはスムーズで振動も最小限です。車内でエンジン音を感じるのはほんの一瞬で、騒音としてではなく“演出音”として調整されています。ドライバーをワクワクさせる音作りがされており、不快感はありません。

サスペンションと路面吸収性の印象

サスペンションはスポーツカーらしくしっかりとした足回りですが、硬すぎず、段差や舗装の荒い道でも快適に走行できます。特に都市部や一般道では、段差を通過しても不快な衝撃が抑えられており、同乗者の満足度も高いと感じました。

長距離運転での疲労感の有無

i8はシート形状が人間工学に基づいて設計されており、長時間の運転でも疲れにくい仕様です。シートはホールド性に優れつつ、適度な柔らかさも備えているため、高速道路での2時間以上の運転でも腰や背中が痛くなりませんでした。ヘッドレストも位置が絶妙で、快適性が高いです。

通常のガソリン車との比較レビュー

一般的なガソリン車と比べて、BMW i8は振動・騒音の少なさが際立ちます。エンジン音が常に鳴っている従来車に比べ、ドライバーの集中力が持続しやすいというメリットもあります。実際、同じ区間をクラウンとi8で乗り比べた結果、到着後の疲労度に大きな差がありました。

BMW i8試乗レビュー③|内外装デザインと操作性の魅力

BMW i8試乗レビュー③|内外装デザインと操作性の魅力

フロント・リアのデザイン特徴

BMW i8の外観は、未来的なデザインが圧倒的な存在感を放っています。フロントはシャープなLEDヘッドライトと低重心のノーズが印象的で、リアは浮かぶようなテールランプが特徴的です。流線型のボディラインが空力を考慮して設計されており、実際に走行中も風切り音が少ないです。

バタフライドアのインパクトと使い勝手

i8の象徴ともいえるバタフライドアは、開閉時に大きな注目を集める要素です。ドアは上に跳ね上がるように開くため、狭い駐車場では若干注意が必要ですが、軽量なカーボン素材により操作はスムーズです。ドアが開いた瞬間の“舞い上がる羽”のようなシルエットは、まさに非日常を演出してくれます。

内装デザインの高級感と近未来感

車内はレザーと再生素材を組み合わせたユニークな構成で、上質さとサステナブルな思想を同時に感じられます。ダッシュボードはドライバーに向けて傾斜しており、スポーティな印象。ブルーのアクセント照明やデジタル表示が未来感を引き立てています。

ドライビングポジションと視界

i8のシートポジションは非常に低く、スポーツカーらしい一体感があります。前方の視界は広く、運転中も安心感がありますが、後方視界はやや狭めです。バックモニターやセンサーのサポートにより実用性は担保されていますが、慣れるまで少し時間が必要かもしれません。

タッチ操作・ナビなどインターフェースの使いやすさ

センターコンソールにはiDriveシステムを中心に、多機能ナビやエンタメ機能が配置されています。物理ボタンとタッチパッドの併用で、直感的な操作が可能です。音声認識の精度も高く、運転中の操作でもストレスを感じませんでした。

BMW i8を購入する価値はあるか?|メリットとデメリットを比較

BMW i8を購入する価値はあるか?|メリットとデメリットを比較

燃費と維持費の実態

BMW i8の燃費はハイブリッドならではの高効率で、WLTCモードで約15〜17km/Lとされています。ガソリン消費は抑えられますが、プラグイン充電ができる環境でないと恩恵は減少します。維持費においては、オイル交換やブレーキパッドなどの交換サイクルが長いため、一般的なスポーツカーよりコストを抑えられる一方、タイヤやバッテリー交換の費用は高めです。

環境性能と税制優遇のポイント

BMW i8はエコカー減税対象車であり、購入時の自動車取得税や重量税が軽減されます。また、都市部の一部駐車場では「低公害車」としての優遇も受けられるケースがあります。CO2排出量はわずか42g/kmで、これは多くの軽自動車よりも環境負荷が少ない水準です。

BMWオーナーとしての満足感

所有する喜びは非常に大きく、駐車場に停めてあるだけで話題になります。実際にi8オーナーの声では「休日に写真を撮られることが増えた」「ドライブの楽しみが格段に変わった」という意見が多く聞かれます。デザイン性の高さと注目度の高さが、所有体験を特別なものにしてくれる要素です。

家族利用・日常使いでの課題

i8は2+2シート構成ですが、後部座席は非常に狭く、大人が乗るには現実的ではありません。また、乗降性もバタフライドアの影響で高齢者や子どもには不向きです。日常の買い物や家族利用にはやや非現実的な一面もあり、セカンドカーとしての位置づけが理想的といえます。

他の選択肢(テスラモデルSやレクサスLC)との比較

同価格帯で比較されるモデルとしては、テスラ モデルS(航続距離:約650km)やレクサスLC500(V8エンジン搭載)があります。テスラは完全EVとしての静粛性・加速性能が魅力で、ソフトウェアアップデートによる進化も特徴です。一方で、i8はデザイン性やブランド価値、ハイブリッドという独自のポジションが強みです。

試乗前に知っておくべきBMW i8の注意点と事前準備

試乗前に知っておくべきBMW i8の注意点と事前準備

試乗予約の方法と注意事項

BMW i8の試乗は、全国のBMW正規ディーラーで受け付けています。試乗は完全予約制が基本で、事前にWebまたは電話での申し込みが必要です。週末は予約が埋まりやすいため、希望日の1〜2週間前の連絡がおすすめです。また、運転免許証の提示や簡単な説明への同意が求められる場合もあります。

i8のサイズ感と駐車スペースの確認

BMW i8は全長4689mm、全幅1942mmと横幅がかなり広いため、一般的な立体駐車場では収まらない可能性があります。試乗時には、ディーラーの駐車環境だけでなく、自宅や職場の駐車スペースのサイズ確認も重要です。購入検討者は、導入後の保管場所にも配慮しておくと安心です。

試乗時にチェックすべきポイント

試乗中は加速性能だけでなく、下記のようなポイントも意識して確認すると評価しやすくなります。

  • バッテリー残量での走行モード変化
  • 段差での乗り心地や振動吸収力
  • バック時の視界やモニターの見え方
  • 運転中の操作性やスイッチの配置
自分のライフスタイルに合うかを実感するのが目的です。

天候や路面状況で変わる印象

i8はモーター駆動時にトルクが強く、雨天や雪道ではスリップに注意が必要です。実際の試乗では、乾燥路面と濡れた路面で加速時の安定性が変わることを体感できます。全天候型タイヤを履いているかも確認しておくと安心です。

初心者が運転する際の注意点

BMW i8は低重心かつ全幅が広いため、取り回しに慣れが必要です。試乗中はミラーやバックカメラを活用しつつ、狭い道や交差点でのハンドル操作に慎重になることが重要です。とくに駐車や方向転換時は、周囲の障害物に注意してください。ディーラーのスタッフが同乗するので、不安がある場合は遠慮なく相談を。

よくある質問(FAQ)|BMW i8試乗に関する疑問を徹底解決

よくある質問(FAQ)|BMW i8試乗に関する疑問を徹底解決

BMW i8は完全な電気自動車ですか?

いいえ、BMW i8はプラグインハイブリッド車(PHEV)です。前輪にモーター、後輪にエンジンを搭載しており、短距離では電気のみで走行可能です。EV走行の航続距離は最大で約40kmですが、ガソリンエンジンが加わることで長距離も安心して走行できます。

試乗はどこでできますか?費用はかかりますか?

試乗は全国のBMW正規ディーラーで可能です。基本的に試乗は無料ですが、一部地域では事前予約や本人確認が必要です。週末やキャンペーン期間中は混雑が予想されるため、平日を狙うとスムーズに試乗できる傾向があります。

BMW i8の維持費は高いですか?

維持費はスポーツカーとしては比較的抑えめです。年間の自動車税はおおよそ34,500円、任意保険は年齢や等級によって変動しますが、年間15〜20万円程度が目安です。ただし、タイヤやバッテリー交換には高額費用がかかるため、ランニングコストの把握は重要です。

i8の加速性能は本当にスポーツカー並みですか?

はい、BMW i8は0-100km/hを約4.4秒で加速する性能を持ちます。これは多くのV6エンジン搭載スポーツカーと同等かそれ以上のスペックです。モーターによる瞬発力とエンジンの加速が融合し、街乗りでも高速走行でもスポーティな走りを楽しめます。

中古のBMW i8は信頼できますか?

中古車市場では、BMW i8は人気があり安定した価格で取引されています。走行距離5万km未満・整備記録ありの車両であれば、高い信頼性が期待できます。バッテリーの劣化や電装系の状態は購入前に必ず確認しましょう。認定中古車であれば保証付きのため安心です。

i8は家族や荷物の運搬にも向いていますか?

BMW i8は2+2シーター構成で、後部座席は非常に狭いため実質的には2人乗りと考えるべきです。荷室容量も154リットルと少なく、大きな荷物や旅行用途には不向きです。スポーツドライブ専用のセカンドカーとしての活用が現実的です。

まとめ:BMW i8試乗で得られた圧倒的な体験とは

まとめ:BMW i8試乗で得られた圧倒的な体験とは

BMW i8を試乗したことで、単なるスポーツカーとは異なる革新性と走行性能の融合を体感することができました。モーターによる静寂な滑り出し、高速域でもブレない安定感、そして誰もが振り返るようなデザイン。すべてが印象的でした。

特に以下の点が心に残っています。

  • 0-100km/h加速4.4秒のパワーとレスポンス
  • モーターによる滑らかな加速と圧倒的静粛性
  • 未来感あふれるインテリアと操作性
  • 日常使いとのギャップや注意点も明確に把握できた

BMW i8は「乗ること」そのものに価値があると実感しました。性能、デザイン、環境性のすべてを求める方にとって、i8は唯一無二の選択肢になるはずです。ぜひ一度、実際にそのハンドルを握って体感してみてください。

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