BMW i7の試乗レビューで何がわかる?

BMW i7の試乗レビューで何がわかる?

BMWが誇るフラッグシップEV「BMW i7」。その完成度を知りたくて試乗してみました。第一印象からは想像以上の静粛性と滑らかさ。ただし、完璧というわけではありませんでした。

「i7って価格に見合った価値があるの?」「ライバル車と比べて何が違う?」そんな疑問を持つ方は多いと思います。実際に試乗した体験をもとに、本音で長所と短所をレビューしています。

高級EVだからといって盲目的に選ぶのは危険です。本記事では、購入後に後悔しないための判断材料をリアルにお伝えします。

この記事で分かること

  • BMW i7の基本スペックと注目ポイント
  • 試乗して感じた加速力や静粛性のリアルな評価
  • デザイン・内装・装備の魅力と不満点
  • 他の高級EVとの違いや比較ポイント
  • 購入に向いている人とそうでない人の特徴

BMW i7とは?モデル概要と特徴を徹底解説

BMW i7とは?モデル概要と特徴を徹底解説

BMW i7の基本スペックと価格帯

BMW i7は、BMWのラグジュアリーセダン「7シリーズ」を電動化したフルサイズEVです。最大出力544馬力、航続距離最大625km(WLTP基準)を誇ります。日本国内では約1,800万円から販売されており、価格帯は完全にハイエンドクラスに位置づけられています。

購入時にはエコカー減税などの優遇措置を受けられないケースが多く、維持費の試算も重要です。

グレード構成と選び方のポイント

i7には「eDrive50」と「xDrive60」など複数のグレードが用意されています。モーター出力や駆動方式の違いによって、走行性能や価格が変わります。たとえば「xDrive60」は四輪駆動でより安定した走りを実現しています。

装備内容もグレードによって大きく異なるため、内装や快適性重視なら上位グレードがおすすめです。

EVとしての注目機能と装備

BMW i7は先進的なEV装備が充実しています。例えば、回生ブレーキの自動制御機能や、音響演出「BMW IconicSounds Electric」など、運転の楽しさと未来感を両立しています。

さらに、80kmを約10分で充電できる急速充電にも対応。利便性にも配慮された設計です。

BMWの電動化戦略におけるi7の位置づけ

i7はBMWの「iシリーズ」の中核を担う存在です。環境対応と高級感を両立するこのモデルは、同社が掲げる「持続可能なラグジュアリー」の象徴といえます。

iX、i4などのラインアップと比較しても、i7は明らかに上位プレミアム層を狙った展開です。

i7に搭載されたテクノロジーの進化

車内には、31インチのシアタースクリーンや、操作性に優れたBMWカーブド・ディスプレイなど、次世代インフォテインメントが搭載されています。また、半自動運転レベル2にも対応しており、長距離移動での負担軽減に貢献します。

特にAIを活用した音声アシスト「BMWインテリジェントパーソナルアシスタント」は、ユーザーの操作に柔軟に応じ、快適な操作体験を提供します。

実際に試乗して感じたBMW i7の走行性能

実際に試乗して感じたBMW i7の走行性能

モーター加速と静粛性のレベルは?

BMW i7は0-100km/h加速が約4.7秒と、2.5トンを超える車体とは思えない俊敏な動きを見せます。アクセルを踏んだ瞬間にトルクがダイレクトに伝わる加速感は、ガソリン車にはない魅力です。

また、モーター駆動特有の静粛性も圧巻で、市街地走行中はほとんど無音に近く、ロードノイズすら抑え込まれています。同乗者からも「電車のグリーン車より静か」との声がありました

高速道路での安定感と直進性能

試乗時に東名高速で巡航走行を行いましたが、直進安定性は非常に高く、時速100kmでもステアリング補正がほとんど不要です。車線維持支援機能もスムーズで、長距離運転でも疲労感が軽減される印象です。

風の影響を受けにくい低重心設計ですが、タイヤ幅が広いため路面の轍に多少影響される場面もあります。

街乗りでの扱いやすさと回生ブレーキ

全長5.3mの大型車ですが、四輪操舵機能のおかげで小回りが効き、狭い道や駐車場でも比較的扱いやすいです。低速走行では滑るように進み、ワンペダルドライブによる回生ブレーキの自然な減速感も快適でした。

Bモード時は強めの回生がかかるため、渋滞時のストップ&ゴーでもブレーキ操作が最小限で済みます。

サスペンションと乗り心地のリアルな感想

アダプティブエアサスペンションが標準装備されており、路面の凹凸を滑らかに吸収します。段差を超えた際のショックはほとんどなく、後席でも高級ホテルのラウンジのような安定感が感じられました。

ただし、スポーツモードでは足回りが若干引き締まり、硬さを感じる場面もあるため、快適性重視ならコンフォートモードの使用が推奨されます。

他のBMW車と比べたドライビングフィール

5シリーズやX5など他のBMWモデルと比較すると、i7は圧倒的に滑らかで余裕のある走行性能が特徴です。スポーティさよりも重厚感と安心感を重視した乗り味で、従来のBMWらしさとはやや趣が異なります。

「駆けぬける歓び」よりも、「包まれるような上質な移動体験」を求めるユーザーに最適な一台です。

BMW i7の内装と快適性を徹底レビュー

BMW i7の内装と快適性を徹底レビュー

室内空間の広さとラグジュアリー感

BMW i7のキャビンは、全長5,391mm・全幅1,950mmというボディサイズからも分かる通り、圧倒的な広さが魅力です。特に後部座席の足元空間はビジネスクラス並みで、身長180cmの大人が足を組んでも余裕があります。

内装にはウッドパネルやクリスタル素材が随所に使われており、高級ホテルのラウンジを思わせるデザインです。

シートの快適性とリクライニング機能

シートはすべて上質なナッパレザーを採用し、前後ともにヒーター・ベンチレーター・マッサージ機能を搭載。特に後席には最大42.5度まで傾けられるリクライニングが用意されており、まるでファーストクラスのような体験が可能です。

座面のクッション性とホールド感のバランスも秀逸で、長距離でも疲れにくい設計です。

後部座席の装備とVIP仕様の評価

後席には、専用の5.5インチタッチパネル(リアコマンドセンター)を左右のドアに配置。そこからシート位置・エアコン・マルチメディアなどを個別に操作できます。

さらに、オプション装備として「シアタースクリーン(31.3インチ8K対応)」を設定可能。移動空間が完全なプライベートシアターになる点は、他社にはない大きな強みです。

インフォテインメントとディスプレイの使い勝手

前席にはBMWカーブド・ディスプレイを採用し、12.3インチのメーターと14.9インチのセンターディスプレイが一体化。レスポンスも良く、iDrive操作も直感的で使いやすいです。

ただし、初めてBMWを運転する人にとっては多機能すぎてやや学習が必要な面もあります。

ナイトライド時の雰囲気とライト演出

夜間は「インテリアライティング・パッケージ」が活躍します。アンビエントライトの色やパターンを自由にカスタマイズでき、落ち着いた大人の空間を演出します。

また、「インタラクションバー」と呼ばれる光る装飾パネルがダッシュボードやドアパネルに組み込まれており、タッチ操作と連動して光るギミックが美しいです。

BMW i7の気になる短所・デメリットは?

BMW i7の気になる短所・デメリットは?

車体サイズによる取り回しの難しさ

BMW i7は全長5.3m、全幅1.9mを超える堂々としたボディサイズです。都市部では立体駐車場に入らないケースや、狭い道での取り回しに苦労する場面がありました。

四輪操舵システムで最小回転半径は抑えられているものの、コンパクトな国産車に慣れている方には大きさを感じやすいです。

価格に対するコストパフォーマンス

BMW i7の価格は約1,800万〜2,300万円。フルオプションでは3,000万円を超える場合もあります。この価格帯では、ロールスロイスやメルセデス・マイバッハといった超高級ブランドと比較されることも。

走行性能や装備は非常に優れていますが、ブランド価値やリセールを考慮すると、費用対効果に疑問を持つ声もあります。

EV特有の充電インフラと航続距離の課題

BMW i7の航続距離は最大625km(WLTP)ですが、実走行では約500km前後と見込むのが現実的です。急速充電には対応していますが、日本国内では高出力対応の充電器がまだ少数です。

遠出の際は充電計画が不可欠で、特に地方ではインフラの未整備が不安要素となります。

ソフトウェアUIの使いづらさ

iDriveの操作系は進化していますが、「設定項目が多すぎて直感的でない」との声もあります。特に、音量調整やエアコン操作が物理スイッチではなくなった点は操作に戸惑うユーザーが多いです。

運転中のタッチパネル操作は安全性の観点からも注意が必要です。

国産EVとの比較で感じたマイナスポイント

レクサスRZや日産アリアと比べると、BMW i7は高級感では上回る一方で、補助金対象外になりやすく、維持費も割高です。また、国産EVは日本の道路事情に合った設計がされており、普段使いでの利便性に差を感じる場面があります。

日常使いを重視する場合は、サイズ・価格・インフラ対応すべてを考慮した選択が必要です。

BMW i7はどんな人におすすめ?購入の判断基準

BMW i7はどんな人におすすめ?購入の判断基準

高級セダンとしての価値を求める人

BMW i7はラグジュアリーセダンの中でも最上級の装備と快適性を備えています。静粛性・乗り心地・後席装備など、どれを取っても一流。メルセデス・ベンツSクラスやアウディA8と並ぶ存在感を放ちます。

車に「移動手段以上の価値」を求める方にとっては、i7は理想的な選択肢です。

静粛性と快適性重視のドライバー

BMW i7の静粛性はEVならではの利点を最大限に活かしています。エンジン音がないだけでなく、風切り音やロードノイズまでも高次元で遮断。マッサージ機能やアダプティブサスペンションも搭載されており、乗る人すべてが快適です。

都市部の送迎や長距離移動をストレスなくこなしたい方に最適です。

テクノロジー重視派に刺さるポイント

BMW i7はAIアシスタント、ARナビゲーション、シアタースクリーンなど、最先端テクノロジーが満載です。車内Wi-Fi、スマートフォンとの連携もスムーズで、ガジェット好きやハイテク志向のユーザーから高い評価を受けています。

クルマというより「走るスマートラウンジ」と言える先進性があります。

環境意識の高い富裕層・法人利用

BMW i7は電動化社会をリードする象徴的な一台です。CO2排出ゼロでありながら高級感を損なわないという点で、環境配慮とステータスを両立させたい層に適しています。

特に法人利用では、企業のSDGs姿勢を示すツールとしても注目されています。

他の輸入EVとの選び方の違い

テスラやポルシェなど他の輸入EVと比較すると、BMW i7は「ラグジュアリー×電動化」に特化した立ち位置です。スポーツ志向のポルシェタイカンや、IT感の強いテスラモデルSに対し、上質な移動空間にこだわる人に支持されています。

ブランド価値や乗り心地、対面での印象を重視するなら、i7の選択は非常に有効です。

他の高級EVと比較!BMW i7の立ち位置

他の高級EVと比較!BMW i7の立ち位置

メルセデス・ベンツ EQSとの比較

メルセデス・ベンツEQSは、BMW i7と同じく高級EVセダンとして注目を集めています。両車ともに静粛性と先進性を重視していますが、EQSはより未来的なデザインと操作性が特徴です。一方、i7は伝統的な高級感を残しており、従来のBMWファンにも受け入れられやすい設計です。

室内装備では、EQSのMBUXハイパースクリーンに対し、i7はシアタースクリーンとカーブドディスプレイで勝負しています。

ポルシェ タイカンとの性能差

ポルシェ タイカンはスポーツ性を追求したEVで、0-100km/h加速は最上位モデルで2.8秒と圧巻です。対してBMW i7は4.7秒とやや控えめですが、快適性や乗り心地ではi7が圧倒的です。

タイカンはハンドリングや加速性能を重視するユーザーに向いており、i7はゆとりある移動空間を求める層に向いています。

アウディ e-tron GTとの価格と装備比較

アウディe-tron GTは約1,400万円〜という価格で、BMW i7よりも少し手頃な印象があります。ただし装備面ではi7の方が充実しており、後席装備や快適性はi7に軍配が上がります。

どちらもデザイン性に優れているものの、i7の方がインテリア素材や仕上げに高級感があります。

テスラ モデルSとのライフスタイルの違い

テスラ モデルSは最新テクノロジーとOTAアップデートにより、常に進化するスマートカーとして知られています。BMW i7はアップデート性では劣るものの、実車の完成度や造りの良さで差別化されています。

また、モデルSはディスプレイ操作に依存しすぎており、物理的な操作感を重視するユーザーにはi7の方が使いやすいと感じられます。

国内EV(レクサスRZなど)との使い勝手比較

レクサスRZは日本の道路事情に合ったサイズと設計が魅力です。対してBMW i7はサイズが大きいため、都市部では取り回しに注意が必要です。しかし、ラグジュアリー性や装備のグレードは段違いで、競合というよりは別カテゴリーとしての存在感があります。

補助金や税制面では国産EVが優位ですが、ステータス性や快適性を重視するならi7が圧倒的です。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

BMW i7の充電時間はどのくらいかかりますか?

BMW i7は200kW対応の急速充電により、バッテリーを10%から80%まで約34分で充電可能です。普通充電(200V)では、フル充電まで約12時間程度かかります。自宅充電と外出先での急速充電をうまく使い分けるのが現実的です。

急速充電器の設置場所によっては、出力不足で時間がかかる場合もあります。

維持費はどのくらい?保険や税金の目安は?

BMW i7は年間の自動車税が約11万円(重量税・環境性能割含まず)です。任意保険は条件によって異なりますが、車両保険込みで年間25〜35万円程度が相場です。また、タイヤやブレーキなど消耗品の価格も高めなので、年間維持費は50万円以上を想定しておくと安心です。

i7と7シリーズの違いは?どちらを選ぶべき?

i7は7シリーズの電気自動車バージョンであり、基本設計は共通です。ただし、i7はモーター駆動による静粛性とゼロエミッション性能が魅力。一方、7シリーズ(ガソリン車・PHEV)は航続距離や給油の利便性で優れています。

自宅に充電設備がある方や都市部中心の利用なら、i7がおすすめです。

中古市場でのBMW i7の価値は下がりにくい?

EV全般に言えることですが、中古市場では値落ちしやすい傾向があります。i7も例外ではなく、3年後の残価率は50〜60%前後と予測されます。ただし、限定グレードやオプション装備によっては価値を保ちやすい場合もあるため、購入時の仕様選定が重要です。

i7の納期はどれくらい?今買うといつ届く?

2025年現在、BMW i7の納期は約3〜6か月が目安です。グレードやオプションによってはさらに長くなることもあります。人気装備を含むオーダーメイド車両は半年以上待つケースもありますので、早めの相談が推奨されます。

試乗はどこでできる?予約の取り方は?

BMW i7の試乗は、BMW正規ディーラーでの予約制が一般的です。公式サイトまたは最寄りの店舗に電話・Webフォームで予約を入れましょう。展示車と試乗車が異なる場合があるため、事前確認がおすすめです。

週末は予約が埋まりやすいので、平日または早めのスケジュール調整が有効です。

まとめ:BMW i7の試乗で見えた本当の魅力と課題

まとめ:BMW i7の試乗で見えた本当の魅力と課題

BMW i7は、電動ラグジュアリーの最前線を体現するモデルです。走行性能、静粛性、快適性、そしてテクノロジーのすべてが高次元で融合されています。

一方で、車体の大きさや価格帯、充電インフラといった点では注意すべきポイントもありました。特に初めてEVに乗る方にとっては、利用シーンに合った選択が重要になります。

本記事で紹介した内容をもとに、自分のライフスタイルや価値観に照らし合わせながら、BMW i7が本当にフィットするかを検討してみてください。

価格やサイズに圧倒されがちですが、真価は「体験して初めて分かる」と言っても過言ではありません。

最後にポイントを整理します。

  • 加速・静粛性・乗り心地はトップレベル
  • 後席中心の快適装備は他車を凌駕
  • 価格と充電環境の検討は必須
  • ライバル車と比較しても独自の存在感あり
  • 試乗は必須。自分の感覚で判断を

今後さらに進化が期待されるBMW i7。最先端を体験したい方には、間違いなく検討に値する一台です。

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