BMW iXとX5を比較する前に知っておきたいこと

BMW iXとX5を比較する前に知っておきたいこと

BMWの人気SUVである「iX」と「X5」。どちらも高い性能と洗練されたデザインで支持を集めています。ですが、「電気自動車とガソリン車、どちらを選ぶべき?」「維持費や走行性能はどのくらい違うの?」といった疑問を抱える方は少なくありません。

結論から言うと、ライフスタイルや利用目的によって最適な選択は異なります。たとえば、静かで滑らかな走行を求める方にはiX、長距離ドライブや荷物の多い移動を重視する方にはX5がマッチしやすいです。

しかし、価格・維持費・走行性能・装備など、多くの項目で比較しないと後悔する可能性もあります。

実際に「思っていたよりも維持費が高かった」「家族の使い方には合わなかった」といった声も見られます。だからこそ、購入前に両者をしっかり比較することが重要です。

この記事で分かること

  • BMW iXとX5の基本スペックと外観の違い
  • 価格帯や維持費、補助金などコスト面の比較
  • 走行性能・乗り心地・静粛性などの実走レビュー
  • ライフスタイル別に見るおすすめの選び方
  • よくある疑問への具体的な回答とアドバイス

BMW iX vs X5|基本スペックを徹底比較

BMW iX vs X5|基本スペックを徹底比較

車体サイズとデザインの違い

BMW iXは全長4,953mm・全幅1,967mmとワイドなプロポーションで、未来的かつミニマルなデザインが特徴です。一方、X5は全長4,935mm・全幅2,005mmとやや大柄で、伝統的なSUVらしい力強い印象を持っています。どちらも存在感は抜群ですが、印象は大きく異なります。

パワートレインと駆動方式の比較

iXは完全な電気自動車で、xDrive50グレードでは最大出力523ps・最大トルク765Nmを誇ります。X5はガソリン・ディーゼル・プラグインハイブリッドなど多様な選択肢があり、中でもxDrive40dは340psの出力を発揮します。

用途に応じて駆動方式を選べるのはX5の強みです。

加速性能・最高速度の違い

iX xDrive50は0-100km/h加速をわずか4.6秒で達成。X5のxDrive40iも5.5秒と高水準ですが、電動モーターならではの瞬発力はiXの優位性です。どちらも時速200km超まで対応していますが、静粛性と加速レスポンスの面ではiXに軍配が上がります。

充電・燃料タイプの比較

iXは家庭用200V充電に加え、急速充電ステーションにも対応。フル充電で最大650km(WLTCモード)走行できます。X5は燃料タイプにより差がありますが、ガソリンモデルでは1タンクで700〜800km程度の走行が可能です。都市部の短距離利用ならEV、長距離なら内燃機関が有利と言えます。

装備・オプションの違い

iXはARヘッドアップディスプレイ、スマートグラス調のルーフなど最新装備を多数搭載。X5も先進安全機能やマッサージ付きシートなど快適装備は充実していますが、未来感・デジタル性能の面ではiXが先行しています。ただし、選択できるオプションの幅はX5の方が広く、カスタマイズ性で差が出ます。

BMW iX vs X5|価格帯と購入コストの違い

BMW iX vs X5|価格帯と購入コストの違い

新車価格の比較(グレード別)

BMW iXの価格帯は約1,080万円〜1,390万円で、xDrive40・xDrive50・M60などのグレードによって大きく異なります。X5は約960万円〜1,220万円で、xDrive40dやプラグインハイブリッドモデル(xDrive50e)などが用意されています。グレード選びによって予算が大きく変動するため、事前に明確な目的を持つことが大切です。

補助金・税制優遇の有無

iXは電気自動車のため、CEV補助金(最大65万円程度)や地方自治体の支援制度を活用できます。さらに自動車税・重量税も優遇されることが多く、初期費用を大きく抑えることが可能です。一方、X5のガソリン車やディーゼル車には適用されないケースが多く、税制面ではiXが明らかに有利です。

値引き事情や相場

BMW iXは新型モデルかつ供給が限られているため、値引きは5〜10万円程度にとどまることが多いです。X5は販売年数が長く、20万円以上の値引きが報告されているケースもあります。

ただし、オプション込みで交渉することでiXでも実質的な値引きが可能です。

リセールバリューの傾向

X5は中古市場での人気が高く、3年後の残価率はおおむね60〜65%と高水準を維持しています。一方、iXはまだ市場実績が少ないため、リセールに関しては不透明な部分が多いです。売却を前提に考える場合はX5が有利ですが、今後のEV需要拡大によって状況が変わる可能性もあります。

ローン・リース利用時の違い

BMW iXは電気自動車特有のリースプラン(メンテナンス込み・補助金反映型)が多数あり、月額を抑えたいユーザーに人気です。X5は残価設定ローンや通常ローンの選択肢が広く、自分に合った資金計画を立てやすいのが魅力です。いずれも金利や残価設定を比較することで、総支払額に大きな差が生まれます。

BMW iX vs X5|維持費・ランニングコスト比較

BMW iX vs X5|維持費・ランニングコスト比較

電気代 vs 燃料費の実際

iXは100%電動モデルで、1kWhあたり約30円の電気代として計算すると、フル充電(約105kWh)で約3,150円。航続距離が約650kmのため、1kmあたり約4.8円のコストです。一方、X5のガソリンモデル(実燃費8km/L・燃料単価180円)では1kmあたり約22.5円となり、iXは燃料費で約1/4のコストで済む計算です。

自動車税・重量税の違い

iXはエコカー減税対象で、初年度の自動車重量税が免除されます。さらに、環境性能割も非課税もしくは軽減対象です。一方、X5は排気量2.0〜3.0Lクラスのため、年間自動車税はおおむね45,000〜51,000円程度発生します。年間維持費に明確な差が出る項目です。

保険料(任意保険・車両保険)の傾向

iXは高額車両ゆえに、車両保険の料率がやや高くなる傾向があります。年間保険料の目安は約12〜15万円。一方、X5はモデルやグレードによって9〜14万円と幅があります。等級や補償内容に応じて変動するため、両モデルとも事前見積もりが重要です。

メンテナンス費用(点検・交換部品)

iXはエンジンがない分、オイル交換やエンジン関連部品の整備が不要です。その結果、年間点検費用は約2〜3万円で済むケースが多いです。X5は内燃機関車として通常の点検・交換が必要となり、

年間で5〜7万円程度かかることが一般的です。

故障率や信頼性の比較

iXは新しいEVプラットフォームを採用しており、故障の報告は今のところ少ないですが、バッテリーや電子系統のトラブル発生時には高額修理が予想されます。X5は実績豊富で信頼性も高く、全国に整備ネットワークが整っている点は安心材料です。長期保有を考えるならメンテ体制の充実度も重要です。

BMW iX vs X5|実際の走行性能と乗り心地の違い

BMW iX vs X5|実際の走行性能と乗り心地の違い

街乗りでの快適性

街中での運転では、iXが抜群の静粛性と滑らかな加速で優位です。モーター駆動により発進時の振動がほぼなく、ストップ&ゴーが多い都市部に最適です。一方、X5も高い静粛性を誇りますが、アイドリング時のエンジン音はやや気になるという声もあります。

高速道路での安定感

高速走行時の安定性は、両モデルともに高水準です。特にX5は重量級SUVとして定評があり、直進安定性と路面吸収性が秀逸です。一方、iXは低重心設計によりコーナリング時のふらつきが少なく、EV特有の安定した走行感が評価されています。

ハンドリング性能・ステアリングの違い

iXは電動パワーステアリングの反応が非常にリニアで、取り回しも軽快です。特に狭い道でのUターンや駐車時に恩恵を感じる場面が多く、運転初心者や女性ドライバーにも扱いやすいと好評です。X5は重厚感のあるステアリングで、高速域での操作に安心感があります。

走行時の静粛性と加速感

iXは完全EVという特性から、エンジン音が皆無。時速80km程度まではほぼ無音で走行できます。加速も瞬時で、0-100km/hを4.6秒で到達する鋭さがあります。一方X5は、モデルによってはV6エンジンを搭載しており、エンジンサウンドを楽しみたいユーザーに適しています。

サスペンションの違いと乗り心地

iXはエアサスペンションを標準装備しており、路面の凹凸を滑らかに吸収します。特に長距離ドライブ時の疲労感が少なく、快適性が際立ちます。X5も電子制御サスペンションを搭載しており、ドライブモードに応じて乗り心地を調整可能ですが、

スポーツモードでは硬めの印象を持つ人もいます。

BMW iX vs X5|内装・インテリアの魅力を比較

BMW iX vs X5|内装・インテリアの魅力を比較

シート素材と質感

BMW iXはサステナブル素材を積極的に採用しており、ヴィーガンレザーやオリーブ葉でなめした天然革などを使用しています。柔らかな触感と高級感を両立しており、環境配慮の姿勢も好感を持たれています。一方、X5はナッパレザーやヴァーネスカレザーを選択可能で、クラシックな高級感を好む方に支持されています。

インパネ・ディスプレイの機能性

iXは14.9インチのカーブドディスプレイと12.3インチのインフォディスプレイを一体化したレイアウトを採用。直感的で未来的な操作性が特徴です。X5も12.3インチのデュアルディスプレイを備えていますが、より伝統的な操作系統を重視した設計となっています。

室内空間と荷室容量

iXはフラットフロア構造により、前後席ともに広々とした足元空間を確保しています。後席も大人がゆったり座れる設計で、開放感のあるインテリアが魅力です。荷室容量は500L、X5は最大650Lと広く、アウトドアや家族旅行の荷物にも対応します。

操作性と使い勝手

iXはセンターコンソールにクリスタル加工のiDriveコントローラーを配置し、高級感と操作性を両立しています。音声操作の精度も高く、日常利用でもストレスを感じにくいです。X5は物理ボタンが多く、直感的な操作を好むユーザーに適しています

高級感・先進性の印象

iXは全体的にミニマルかつモダンなデザインで、未来のラグジュアリーカーを体現しています。X5は重厚感のあるウッドパネルやクローム加飾が映える、

伝統的なプレミアム感を大切にした内装です。

好みによって選択肢が分かれるポイントですが、どちらも上質な時間を提供してくれます。 

BMW iX vs X5|どんな人におすすめ?ライフスタイル別で比較

BMW iX vs X5|どんな人におすすめ?ライフスタイル別で比較

家族利用に向いているのは?

家族での移動を重視するならX5がバランスに優れています。最大5人が快適に乗れる室内空間と、最大650Lの荷室容量があり、ベビーカーや旅行カバンも無理なく収納可能です。チャイルドシートの装着もスムーズで、長距離移動でも安心です。一方iXも広いですが、荷室は500Lとややコンパクトな印象です。

通勤や街乗りに適しているのは?

日常の通勤や市街地走行ではiXが強みを発揮します。静粛性とスムーズな加速により、信号や渋滞の多い都市部でもストレスを感じにくいです。さらに、回生ブレーキによる電費効率の良さもメリットです。X5はサイズが大きく、狭い道での取り回しにやや気を使う場面があります。

長距離ドライブ・アウトドアに強いのは?

長距離移動やアウトドア用途にはX5が優れています。ディーゼルやPHEVモデルなら1回の給油で約800km以上走行でき、山道や未舗装路でも安心の走破性があります。iXは航続距離650km前後ですが、充電インフラの有無に影響されるため、地方では注意が必要です。

環境意識の高い人に向いているのは?

脱炭素・エコ意識が高い方にはiXがぴったりです。EV専用設計で製造時からCO2排出削減に配慮されており、BMWの環境理念を体現したモデルです。再生可能エネルギーでの充電を併用することで、実質ゼロエミッションの移動が可能になります。X5のPHEVも低排出ですが、EVほどのインパクトはありません。

車選びで後悔しないためのポイント

ライフスタイルに合わない車選びは後悔につながります。以下のポイントを意識して選びましょう。

  • 使用頻度と走行距離:日常中心ならEV、長距離なら内燃機関
  • 充電環境の有無:自宅や勤務先に充電設備があるか
  • 荷物や同乗者の多さ:室内・荷室の広さが十分か
  • ランニングコスト:維持費・保険料・減税の違い

見た目や新しさだけで判断せず、日常での使い勝手を最優先にしましょう。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

BMW iXは充電にどれくらい時間がかかる?

iXの充電時間は充電設備によって大きく異なります。普通充電(200V)ではフル充電まで約12時間、急速充電(DC 150kW対応)を使えば約30分で80%まで充電可能です。急速充電インフラが整っていれば、日常利用に十分対応できます

X5の燃費は実際どのくらい?

X5の燃費はグレードにより異なりますが、xDrive40d(ディーゼル)は実燃費で13〜15km/L前後と優秀です。ガソリンモデルでは9〜11km/L程度が一般的です。燃料コストを抑えたい方はディーゼルモデルが人気です。

iXの航続距離は信頼できる?

iX xDrive50はWLTCモードで最大航続距離650kmとされています。ユーザーの実測値では季節や走行条件により約500〜600kmと幅があります。高速道路走行や寒冷地では若干短くなる傾向があるため、余裕を持ったプランニングが必要です。

iXとX5の人気グレードは?

iXではxDrive50が最も人気で、パワーと航続距離のバランスが評価されています。X5ではxDrive40d(ディーゼル)とxDrive50e(PHEV)が人気で、燃費性能と実用性の高さが支持されています。使用環境によって適したグレードを選ぶのがポイントです。

中古で買うならどっちが得?

中古市場ではX5の流通量が多く、状態の良い車両も見つけやすいため、選択肢の豊富さではX5が有利です。iXは中古車がまだ少なく、価格も高止まり傾向です。コストパフォーマンスを重視するなら、現時点ではX5に軍配が上がります。

冬場のiXのバッテリー性能は大丈夫?

EVは低温時にバッテリー性能が落ちる傾向がありますが、iXにはバッテリーヒーターが搭載されており、

寒冷地でも一定の航続距離を確保できるよう設計されています。

ただし、暖房使用時は電力消費が増えるため、実航続距離が短くなる点には注意が必要です。 

まとめ:BMW iXとX5、どちらを選ぶべきか?

まとめ:BMW iXとX5、どちらを選ぶべきか?

BMW iXとX5は、それぞれ異なる魅力を持ったプレミアムSUVです。電動化・未来感・静粛性を重視するならiX、走行距離・積載性・多用途性を求めるならX5が向いています。

価格帯や維持費、走行性能の違いを比較することで、自分のライフスタイルに合った1台が見えてきます。家族構成や通勤距離、充電環境の有無などを具体的に考慮すると、より納得のいく選択が可能になります。

最後に、この記事のポイントを簡潔にまとめます。

  • iXはEV専用設計で先進装備が豊富。都市部や短距離利用に最適
  • X5は燃費や荷室で実用性が高く、長距離・多人数移動に強い
  • 維持費はiXが有利、リセールや選択肢の多さではX5が優位
  • 補助金や減税など、制度面の差異も事前確認が必要

どちらを選ぶにしても「目的と用途」を明確にすることが、後悔しないクルマ選びの第一歩です。

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